筋肉痛の基本的理解と発生メカニズム

久しぶりに走ったり、負荷の高い練習をした時に筋肉痛が起きますよね。

その発生の機序を説明できますか?

発生のメカニズムをまとめてみました。

筋肉痛、特に遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)は、運動後12〜24時間以内に始まり、24〜72時間でピークに達する特徴的な痛みです。この現象は、以下の3段階のプロセスで発生します。

発生の原因

  1. 微細損傷の発生
  • 通常以上の負荷や慣れない運動により、筋線維に微細な損傷が生じます
  • 特にエキセントリック運動(筋肉が伸びながら力を発揮する動き)時に顕著です
  • 例:下り坂を走る、重りをゆっくり下ろす等の動作
  1. 炎症反応の進行
  • 損傷部位で免疫細胞が活性化され、炎症反応が始まります
  • ブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が放出されます
  • これらの物質が神経を刺激し、痛みとして認識されます
  1. 修復と再構築
  • 損傷した筋線維は修復過程に入り、より強靭な筋繊維として再構築されます
  • この過程で周囲組織の腫れが生じ、一時的に痛みが増強することがあります

効果的な解決策

  1. 即時的な対処法
  • 軽い運動(アクティブレスト)
    • 血流を促進し、代謝産物の排出を助けます
    • 痛みを感じない範囲での軽いストレッチや歩行が効果的です
  • 温熱・寒冷療法
    • 運動直後:15〜20分程度のアイシングで炎症を抑制
    • 24時間後以降:温浴や温パックで血行を促進
  • マッサージ
    • 軽度の圧で行い、血行促進と筋緊張の緩和を図ります
    • 強すぎるマッサージは逆効果となる可能性があります
  1. 予防的アプローチ
  • 段階的な運動強度の設定
    • 急激な運動強度の増加を避ける
    • 適切なウォームアップとクールダウンを実施
  • 栄養管理
    • タンパク質を十分に摂取し、筋肉の修復を支援
    • 水分補給を適切に行い、代謝をサポート
  1. 生活習慣の改善
  • 十分な睡眠時間の確保
  • バランスの取れた食事
  • 定期的な運動習慣の確立

重要な注意事項

  • 以下の場合は医療機関への受診を検討してください
    • 激しい痛みが1週間以上続く
    • 著しい腫れや発赤を伴う
    • 通常の動作が著しく制限される
  • 痛み止め薬の使用について
    • 市販の消炎鎮痛剤は一時的な痛みの緩和に効果的
    • 用法・用量を厳守し、長期使用は避ける

筋肉痛は筋肉が適応・強化される過程での自然な反応ですが、過度な負荷は怪我のリスクを高めます。適切な運動強度の設定と回復期間の確保を心がけ、徐々に体を慣らしていくことが重要です。

Keep Running®(キープランニング)の事業

福岡市「Keep Running®(キープランニング)」では個人対象、法人対象の事業を行っています。

■個人

会員制のパーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」(福岡市中央区大手門3-12-12-403、大濠公園近く)

マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、モチベーションアップ、体作りを行い、目標達成へと導き、人生の充実感を共有していく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、座学、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。

■法人

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この記事を書いた人

楢木十士郎