暑熱順化と汗のチカラ 〜夏こそ身体を鍛えるチャンス〜
今回は「暑熱順化」について触れてみます。急に熱くなり、「この暑さの中走れるだろうか?」と考える事ありますよね。
暑い季節になると「走るのがつらい…」「暑さでバテる…」という声をよく聞きますが、実はこの“暑さ”こそが身体を強くしてくれる最大の味方になります。

1. 暑熱順化とは?
「暑熱順化」とは、暑い環境に身体が順応していく過程で得られる身体的な適応効果のことです。特に夏場の高温多湿な状況で運動を続けると、体内の熱を効率よく逃がす能力が高まり、持久力やパフォーマンスの向上にもつながります。
具体的には以下のような効果が得られます。
- 発汗機能の向上(汗を早く、効率的にかけるようになる)
- 血液循環の改善
- 体温調整能力の強化
- 心拍数の安定化
- 疲労の感じにくさ
つまり、暑さをうまく利用することで、冬場やレース本番での「涼しい環境」がラクに感じられるようになるのです。
2. 汗と体温調節のメカニズム
人間の身体は、体温が上昇すると「汗」を出してそれを気化させ、皮膚から熱を奪って体温を下げようとします。この仕組みが「汗の気化熱作用」です。
汗をかくことで得られるメリットはたくさんあります。
- 体温の上昇を抑える
- 代謝が活発になる
- デトックス効果(体内の老廃物排出)
逆に、汗をかかない生活をしていると体温調節がうまくできず、夏バテや熱中症にかかりやすくなってしまいます。室内でじっとしているのではなく、外に出て適度な汗をかきましょう!
3. 暑熱トレーニングの効果
たとえば、夏に軽いジョギングやウォーキングを続けるだけでも、数週間で身体が暑さに慣れ、持久力がぐっと上がるという研究報告もあります。
プロアスリートが暑い地域で合宿を行うのも、この暑熱効果を最大限に活かすためです。
ランナーである私たちにとっても、暑い中でのトレーニングは「つらい」を超えた「強さ」をくれる最高のブースト期間。もちろん無理は禁物ですが、上手に取り入れていきたいですね。
4. 汗の成分と健康への影響
汗には水分だけでなく、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質も含まれています。これらは神経や筋肉の働きを支える重要な成分です。
「良い汗」とは、サラサラで水っぽく、早く乾く汗のこと。トレーニングを重ねることで、質の良い汗がかけるようになります。これにより体温調節がうまくいき、疲れにくい身体に変わっていくのです。
5. 暑熱環境での運動の注意点
とはいえ、暑さには危険も潜んでいます。以下の点に注意して、無理のない範囲で行いましょう。
- 真夏の高温時間帯は避ける
- ウェアは通気性・吸汗性の良いものを選ぶ
- こまめな水分&塩分補給を行う
- 「喉が渇く前」に水を飲むことがポイント
- 顔が赤くならずに青白い、寒気がするなどの症状はすぐ中止
「汗をかく=健康になる」わけではなく、失った水分やミネラルをしっかり補うことが前提です。喉が渇く前!ここがポイントです。
6. まとめ 〜汗を味方につける夏のトレーニング〜
夏の暑さは「敵」ではありません。身体が順応すれば、秋や冬のレースがぐっとラクになる“魔法の季節”です。汗は、身体がしっかり働いている証拠。無理のない範囲で汗をかき、暑熱効果をうまく利用して、ひと夏ごとに一歩強い自分をつくっていきましょう。
Keep Running®(キープランニング)の事業
パーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」では福岡市中央区(大濠公園近く)にて、個人対象、法人対象の事業を行っています。
■個人
会員制のパーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」(福岡市中央区大手門3-12-12-403、大濠公園近く)
マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、モチベーションアップ、体作りを行い、目標達成へと導く。その結果、人生が充実してく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、座学、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。
■法人
「健康経営優良法人」サポート事業・コンサル事業を、運動・栄養・休養を軸に、企業様の事業発展のためにサポートを行う。社内研修も「長く働き続ける体作り」をテーマに、運動・栄養・休養を軸に講演を行う。
「健康経営」を推進するための研修、オーダーメイドのサポート事業、新入社員研修など。
■子供のランニング教室
別事業で、子供のランニング教室「名島ジュニアランニングクラブ(名島JRC)を運営する。毎週水曜日の17:00-18:30にて、名島運動公園にて行う。運動・栄養・体幹を軸に、速く走るだけじゃなく、バランスの取れた身体を作り上げていく。
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