マラソンの後半に脚が動かなくなる理由には、過緊張(過度に使われた状態の筋肉が収縮したままで固まっている状態)とエネルギー切れ(グリコーゲンが使い果たされている状態)が大きく関与しています。これら二つの要因について、それぞれのメカニズムをまとめます。
過緊張(筋肉の過度の収縮)
- 筋肉の疲労
- 長時間のランニングによって筋肉が過度に使用されると、筋繊維の損傷や炎症が生じます。この結果、筋肉が硬直し、柔軟性が失われて動きが制限されます。
- 神経系の疲労
- 長時間の運動は中枢神経系にも負担をかけます。これにより、筋肉への指令が不完全になり、筋肉が適切に収縮・弛緩する能力が低下します。
- 筋スパズム(痙攣)
- 筋肉が疲労していると、電解質のバランスが崩れやすくなり、筋肉が無意識に収縮を続ける状態(痙攣)になることがあります。これが過緊張の一因です。
エネルギー切れ(グリコーゲンの枯渇)
- グリコーゲンの役割
- グリコーゲンは、筋肉や肝臓に蓄えられている重要なエネルギー源です。運動中にはグリコーゲンが分解されてグルコースとなり、ATP(アデノシン三リン酸)を生成してエネルギーを供給します。
- グリコーゲン枯渇の影響
- マラソンの後半になると、体内のグリコーゲンストアが枯渇し始め、エネルギー供給が追いつかなくなります。これにより、筋肉のATP生成が不十分となり、筋収縮が困難になります。
- 脂肪代謝の限界
- グリコーゲンが枯渇すると、体は脂肪をエネルギー源として利用し始めますが、脂肪からのエネルギー生成はグリコーゲンよりも効率が悪く、即座のエネルギー供給が難しくなります。そのため、運動のパフォーマンスが低下します。特にウルトラマラソンの分野で流行っている考え方で、脂肪をエネルギーとする回路を作るトレーニングを行うことによって、グリコーゲンのみに頼らない脂肪エネルギー回路を作ることが出来、後半まで脚が動き続ける体を作り上げます。私は、空腹時に朝走ることで、脂肪エネルギー回路を作っています。
両者の相互作用
- 疲労の複合効果
- 過緊張によって筋肉の柔軟性が失われ、さらにエネルギー供給が不足することで、筋肉はますます動きにくくなります。これは、マラソンの後半に脚が動かなくなる大きな原因の一つです。
- 持続的な筋収縮とエネルギー不足の悪循環
- 筋肉が過緊張状態になると、持続的な筋収縮が起こり、エネルギー消費が増加します。しかし、エネルギー供給が追いつかないため、さらに筋肉の疲労が進行します。この悪循環により、脚が動かなくなる状態が生じます。
このように、マラソンの後半に脚が動かなくなるのは、過緊張とエネルギー切れの双方が複雑に絡み合った結果です。適切なトレーニングや栄養管理により、これらの影響を軽減することが可能です。
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Keep Running®(キープランニング)の事業
福岡市「Keep Running®(キープランニング)」では個人対象、法人対象の事業を行っています。
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会員制のパーソナル・ランニングクラブ「Keep Running®(キープランニング)」(福岡市中央区大手門3-12-12-403、大濠公園近く)
マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、体作りを行い、目標達成へと導き、人生の充実感を共有していく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。
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