「痛みが無く走れる喜び」これは、ランナー全員の共通の目標である。でも、痛み無く走れている時は、頑張り過ぎてオーバーワークになり、故障をすることもある。ほとんどのランナーが経験しているところだ。
「月間走行距離をどれだけ一気に増やせば、疲労骨折などの故障をするのか?」
「月間走行距離を前月比で何%増やすと疲労骨折リスクが明確に上がる」という、定量的な閾値を示した信頼できる研究は見つからなかった。
関連する研究・知見
いくつかの研究が、トレーニング量(走行距離・頻度・急激な増加)とランニング障害(過使性損傷、ストレス骨折など)の関連を扱っています。
項目 | 内容 |
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過度な進展 | トレーニング量(走行距離など)を急激に増やすことは、過使性障害(オーバーユース傷害)の典型的な危険因子とされています。 PMC+2日本理学療法士協会+2 |
Nielsenらによる研究 | 週ごとの走行距離の過度な進展 (“excessive progression in weekly running distance”) がランニング関連傷害のリスクと関連すると報告されています。 PMC+1 |
Guyらの確率モデル | 「Stride Length and Running Mileage on a Probabilistic Stress Fracture Model」というモデル研究で、走行距離を増やすと疲労骨折の確率が上昇するという予測がなされており、“increasing running mileage increased the probability of stress fracture by 4 %”という表現も使われています。 ResearchGate |
“10%ルール” | 疲労骨折からの復帰プログラムの文献では、走行距離を「毎週10%ずつ増やす(10 %ルール)」という実践的な指針がしばしば引用されます。 APTA Orthopedics |
その他の危険因子 | 骨密度低下、性周期異常、筋力低下、フォーム異常、疲労、栄養不良などが疲労骨折リスクを高める因子として広く認識されています。 PMC+3PMC+3日本理学療法士協会+3 |
ただし、これらの研究は「%増加」と「骨折リスク上昇率」とを直結する明確なカットオフ値を示していません(たとえば「120 %→怪我リスク2倍」などの形式で)。
なぜ明確な%増加閾値が示されにくいか
なぜ「前月比何%増加が危険」という数字が出にくいのか、以下の要因があります。
- 個人差が大きい
体格、骨強度、筋力、走法、回復能力、過去の傷歴、栄養状態などによってリスクは大きく変わります。 - 相互作用する複数の要因
トレーニング強度、頻度、休息、表面・傾斜、疲労、フォーム変化などが絡むため、「距離だけ」を切り出して因果を明示するのが難しい。 - 研究設計の制約
前月比での変化を追跡して疲労骨折発生率を観察する縦断的研究はコストがかかり、また発生数が少ない(比較的稀な傷害)ため統計的検出力が不足しやすい。 - モデルと実データのギャップ
確率モデル(たとえば Guyらの研究)では仮定の下で“距離増加に伴うリスク増加”を予測することはできますが、実際の選手を対象とした大規模前向き研究では再現が難しい。
実務的な目安・リスク管理の方針(提案的)
明確なエビデンス閾値はないものの、実務的な安全マージンを取るためのガイドラインとして、以下のような方針が現場ではしばしば使われています。
- 10%ルール
1週間あたりの走行距離(または時間)を前週比で +10 % 程度に抑えるという指針。これは安全性をとる経験的アプローチとして使われることが多い。 APTA Orthopedics - 累積負荷と急性負荷のバランス管理
“急性負荷/慢性負荷比”(ACWR: Acute:Chronic Workload Ratio)という考え方を使って、直近の距離(急性負荷)が過去数週間の平均距離(慢性負荷)をどれだけ上回っているかをモニタリングする手法もあります(ただしこの手法にも批判があります)。 - 段階的増量
たとえば、月間距離を3〜5割増くらいまで、かつそれを複数ステップに分けて増やす(たとえばまず月+20 %、次月+25 %、さらに次月+30 %…など)ような “漸進的に負荷をかける” 増やし方を選ぶ。⇒私はこの方法が取り入れやすいの、この方法をお伝えしています。 - モニタリングと警戒サイン
脚の痛み、違和感、疲労、局所の腫れ・圧痛、休息後でも痛みが残るなどの初期サインが出たら即休息または負荷軽減を行う。
⇒ここが最も分かりやすい指標! - クロストレーニングや補強運動
レンジ拡大や筋力強化、コア安定化、フォーム/走法改善、体重管理、骨の健康(カルシウム、マグネシウム、ビタミンD・K、などの栄養)対策を併用する。
私はたくさんの距離が走れるようになって強くなってきた。長く速く走れる喜びに取りつかれながら強くなってきた。
走り始めた29年前は、多くの場所を故障したし、その故障は頑張った勲章だと思いトレーニングを重ねてきた。
その結果、月間700~1000km走れる体を手に入れることが出来た。
でもこの体は急には作れない。階段を一つずつ上がっていき、途中途中確認しながら登っていく。どうやって上るかが分かれば、そのペース、頻度、休憩、を教えることが出来る。
私に関わる方々は、出来理限り故障をしてほしくない。
一人だけで走るより、二人で知識を出しながら並走する方が、故障のリスクは下がる。
私の経験と知識を伝えていきながら、笑顔で走っている仲間を増やして行きたい。
そう願う今日この頃です。
「あの時止めることが出来ていれば・・・」
コーチとして何度も反省させられます。
怪我無く、Keep Running!
Keep Running®(キープランニング)の事業
パーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」では福岡市中央区(大濠公園近く)にて、個人対象、法人対象の事業を行っています。
■個人
会員制のパーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」(福岡市中央区大手門3-12-12-403、大濠公園近く)
マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、モチベーションアップ、体作りを行い、目標達成へと導く。その結果、人生が充実してく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、座学、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。
■法人
「健康経営優良法人」サポート事業・コンサル事業を、運動・栄養・休養を軸に、企業様の事業発展のためにサポートを行う。社内研修も「長く働き続ける体作り」をテーマに、運動・栄養・休養を軸に講演を行う。
「健康経営」を推進するための研修、オーダーメイドのサポート事業、新入社員研修など。
■子供のランニング教室
別事業で、子供のランニング教室「名島ジュニアランニングクラブ(名島JRC)を運営する。毎週水曜日の17:00-18:30にて、名島運動公園にて行う。運動・栄養・体幹を軸に、速く走るだけじゃなく、バランスの取れた身体を作り上げていく。
【Instagram】https://www.instagram.com/najima_jr._ruuning_club?igsh=MWsyMG5mcjVqMGYxOQ==