マラソン練習の鍵!閾値走とその効果

マラソン練習の鍵!閾値走とその効果


はじめに

マラソンやハーフマラソンなどの長距離レースを走る上で、「持久力」と「スピード持続力」は非常に重要な要素です。特にフルマラソンでは、35km以降にペースが落ちたり、脚が動かなくなる「失速」を経験する方も多いのではないでしょうか。

「月間走行距離を伸ばしてきたが、記録が頭打ちになった」

「ジョグ以外の練習を取り入れたい」

キープランニングのメンバーからも、このような声を聞くことがあります。

何が効果的か?一人でもできる練習方法は?と考えた時に、「閾値走(いきちそう)」があります。

閾値走の概要から得られる効果、実際のやり方までまとめていきます。


閾値走とは?

閾値走とは、「乳酸性作業閾値(LT:Lactate Threshold)」の少し手前のペースで走るトレーニングのことです。このLTとは、乳酸が体内に蓄積し始める境界のようなもの。LTを超えると一気に疲労物質がたまり、ペースを維持できなくなります。

つまり、自分が快適には走れないけれど、ギリギリ頑張り続けられるペースで行うのが閾値走です。

一般的には、**「10km全力のペースよりもやや遅い」「息は上がるが、会話は断片的にできる程度」**が目安と言われています。タイム感で言うと、フルマラソンのレースペースよりやや速い〜ハーフマラソンのレースペース程度が多いです。


閾値走のメリット

① 乳酸耐性の向上

閾値走の最大の狙いは「乳酸が出始めるギリギリのラインを押し上げること」です。このラインが高くなればなるほど、速いペースでも長く走れるようになります。レース後半に粘れる脚を育てるために、非常に効果的なトレーニングです。

② 有酸素能力の向上

LTペースでの走行は、心肺機能を高め、有酸素エネルギーをより効率よく使える体を作ってくれます。これは長時間動き続けるマラソンにおいて、大きなアドバンテージになります。

③ レースペース感覚の習得

マラソンレースで成功するには、最初から最後まで自分のペースを正確に刻むことが大切です。閾値走を繰り返すことで、レースペースに近い感覚を体に染み込ませることができます。


具体的な練習方法

■ 初級者向け

・週1回~2週間に1回
・20分間の閾値走(例:アップ10分 → 閾値走20分 → ダウン10分)
・感覚的には「ちょっときついけど我慢できる」くらいを意識

■ 中級者向け

・週1回
・4~6kmのタイムトライアル
・または1km×4〜6本(休憩は60秒以内)などのインターバル形式で行うのもおすすめですが、一人ではやり難い

■ 上級者向け

・10km前後の閾値走
・ビルドアップ(徐々にペースを上げる)走も有効です

※いずれのレベルでも、「走る前後のウォームアップとクールダウン」は必ず行いましょう。ケガ予防にもなります。


注意点

  1. やりすぎ注意!
     閾値走はある程度の強度があるトレーニングです。週に何度も行うと、疲労が蓄積して逆効果になることも。
  2. 数値にこだわりすぎない
     心拍数やペースにこだわるのもいいですが、体感(主観的運動強度)を大切にすることも重要です。調子の良し悪しによって、閾値の感覚は変わります。

まとめ

マラソンを最後まで走り切る力、レースペースを安定して保つ力を手に入れるためには、閾値走の積み重ねが有効です。
「何となく走っているだけでは伸び悩む…」と感じている方は、ぜひ週に1回の閾値走を取り入れてみてください。最初はビルドアップ走から入ると取り掛かりやすいでしょうね。身体が変わってくるのを実感できるはずです。

継続は力なり。少しずつでも継続して、自分の「走力の天井」を押し上げていきましょう!

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福岡市「Keep Running®(キープランニング)」では個人対象、法人対象の事業を行っています。

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この記事を書いた人

楢木十士郎