ランニング前の“面倒くさい病”の正体と科学的理由
ランニングを習慣にしている人でも、
「靴を履くまでが一番つらい」
「走る前はやる気ゼロ」
「なんなら絶望感まである」
──そんな経験は少なくないはずです。私も緊張感が抜けた時にこの感情がやって来ます。
では、この“面倒くささ”や“憂鬱感”はなぜ起きるのでしょうか?
実は脳と体の科学的な反応が関係しています。

1. 脳が“変化”を嫌う本能
人間の脳には ホメオスタシス(恒常性) という仕組みがあります。
これは「現状維持バイアス」とも呼ばれ、体温や心拍数だけでなく行動習慣にも影響します。
- 安静状態 → 運動状態
この変化を察知すると、脳は「余計なエネルギーを使わない方が安全だ」と判断し、やる気を下げる信号を出します。
これが「だるい」「面倒くさい」という感覚の正体のひとつです。
2. 脳が“未来の疲労”を予測している
神経科学の研究によると、脳は行動する前に「その結果に伴う負荷や消耗」を予測します。
走る前に感じる憂鬱感や絶望感は、実際の疲労ではなく 予測疲労 によるもの。
これは生存本能に根ざしており、体を守るためにあえてモチベーションを下げています。
しかし、走り始めると感覚は変わり、この予測はすぐに上書きされます。
3. 運動前は“やる気ホルモン”がまだ動いていない
ランニングをすると ドーパミン や エンドルフィン が分泌され、気分が高揚しますが、
走る前はまだこれらが十分に出ていません。
むしろ、仕事や家事の疲れが残っている場合、ストレスホルモン コルチゾール が高く、やる気を抑える状態になっています。
4. 交感神経と副交感神経の切り替えが必要
運動は交感神経優位の活動です。
休息中や仕事後は副交感神経が優位なため、この切り替え時に一瞬「スイッチが重い」と感じます。
特に夕方や夜のランはこのギャップが大きく、だるさを感じやすくなります。
5. モチベーションは“行動前”に最も低くなる
心理学では 行動の起動エネルギー という考え方があります。
モチベーションは行動を始める直前が最も低く、始めてしまえば自然と高まる傾向があります。
つまり、走る前の憂鬱感はある意味「正常」なのです。
まとめ
ランニング前の面倒くささや憂鬱感は、怠け心や性格のせいではなく、脳と体の生理的な反応です。
- 脳は現状維持を好む(ホメオスタシス)
- 未来の疲労を予測してブレーキをかける(予測疲労)
- やる気ホルモンは運動後に分泌される
- 自律神経の切り替えが必要
- 行動前がモチベーション最低値
この仕組みを理解すれば、「やる気が出ないから走らない」ではなく、
「これは脳の仕様だから、とりあえず5分走ってみよう」
という発想に変えることができます。
Keep Running®(キープランニング)の事業
パーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」では福岡市中央区(大濠公園近く)にて、個人対象、法人対象の事業を行っています。
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マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、モチベーションアップ、体作りを行い、目標達成へと導く。その結果、人生が充実してく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、座学、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。
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