「ふくらはぎ」より「お尻」を使おう! 筋肉量から見た合理的な理由

【走りが変わる】マラソンでは「ふくらはぎ」より「お尻」を使おう!筋肉量から見た合理的な理由

マラソンやランニングをするとき、どこの筋肉を意識して走っていますか?

「ふくらはぎがパンパンになる…」「脚が重くなる…」
そんな方は、走りのエンジンを“お尻”に変えることで、走りが劇的に変わります!

今回は、「ふくらはぎ」と「お尻(大臀筋)」の筋肉量の違いから、なぜお尻を使った走りが理にかなっているのかを説明します。


■ ふくらはぎの筋肉は小さいエンジン

ふくらはぎは主に次の2つの筋肉で構成されています。

  • 腓腹筋(ひふくきん):アキレス腱につながる筋肉で、地面を蹴るときに使われます
  • ヒラメ筋:腓腹筋の下にあり、姿勢を保つときやバランスを取るときに働きます

これらは非常に働き者ですが、筋肉量はそれほど多くありません。

例えば、体重60kgの男性であれば、両脚のふくらはぎの筋肉量は合計で約1〜1.5kg程度とされます。
筋肉の断面積(筋力に関係する)は、約20〜30㎠

つまり、小さなエンジンなんです。


■ お尻の筋肉は人体最強のパワー源

対して、お尻の筋肉=大臀筋(だいでんきん)はどうでしょう?

  • 人体で最大級の筋肉
  • 走る・立つ・登る・ジャンプ…すべてに関与
  • 重心を安定させ、腰から力を生み出す「発電所」

体重60kgの成人男性なら、片側のお尻だけで約2.5〜3.5kgの筋肉量があります。
筋断面積は約60〜80㎠
ふくらはぎと比較すると、筋肉量は2〜3倍以上、筋力は3倍以上とも言われます。


■ お尻を使うと、走りがこう変わる

✅ 長く、楽に走れる

小さな筋肉(ふくらはぎ)に頼ると、すぐに疲労が蓄積します。
お尻を使えば、大きな筋肉で負担を分散できるので、後半もフォームが崩れにくくなります。

✅ 推進力がアップする

お尻は後方への力(ヒップドライブ)を生み出します。
しっかりと地面を押すことができ、無駄なく前へ進めるようになります。

✅ ケガの予防になる

ふくらはぎ頼みだと、アキレス腱炎やシンスプリントなどの故障リスクが高くなります。
お尻を使えば、脚全体の衝撃を吸収しやすく、ケガの予防にもつながります。


■ どうすれば「お尻で走れる」のか?

走り方のポイントは次の3つです。

  1. 骨盤を立てる(猫背にならない)
  2. 脚を後ろに蹴るより、重心を前に移す
  3. お尻を意識しながら、地面を蹴り上げるのではなく“押す”感覚で走る

これらを意識することで、自然と大臀筋が働き、効率的なフォームが身につきます。


■ まとめ

比較項目ふくらはぎお尻(大臀筋)
筋肉量(60kg成人)約1〜1.5kg(両足)約2.5〜3.5kg(片側)
筋力小さい(疲れやすい)非常に大きい(持久力も高い)
向いている動作跳ねる、バランス走る、支える、推進する

マラソンやランニングをより効率的に、楽に、そして速く走りたいなら、
**「ふくらはぎで走る」から「お尻で走る」**へのシフトがカギです。

あなたもぜひ、今日のジョグから「お尻のパワー」を意識してみてください!

この記事を書いた人

楢木十士郎