フルマラソンを完走した後、多くのランナーが激しい筋肉痛に悩まされます。42.195kmを走り切った達成感と同時に、体中の筋肉が悲鳴を上げているような感覚は、マラソンランナーにとってはおなじみの経験です。ここでは、フルマラソン後の筋肉痛に対する効果的な対応方法をご紹介します。
1. レース直後のケア
レースを終えた直後から回復のためのケアを始めることが重要です。
a) クールダウン
ゴール後すぐに座り込んでしまうのは避けましょう。代わりに、ゆっくりとしたペースで10分程度のジョギングやウォーキングを行います。これにより、筋肉にたまった疲労物質や乳酸を取り除く効果があります。
b) ストレッチ
クールダウンの後、脚・腰・股関節・背中を中心に5〜10分程度のストレッチを行います。息を吐きながら、痛くない程度にゆっくりと筋肉を伸ばすのがポイントです。
c) アイシング
走り終わった直後の筋肉は炎症を起こしている状態です。アイシングを行うことで炎症を緩和し、回復力を向上させることができます。氷や保冷剤を使って、10〜20分ほど患部を冷やしましょう。
d) 栄養補給
レース後30分以内に、タンパク質と炭水化物を摂取することが重要です。この時間帯は「筋肉づくりのゴールデンタイム」と呼ばれ、成長ホルモンの分泌が盛んになり、傷んだ筋肉の修復が行われます。
2. レース当日の夜から翌日にかけてのケア
a) 入浴
ぬるめのお湯(38〜40度)にゆっくりつかり、全身の血行を促進します。浴槽の中で足の筋肉を下から上へ揉み上げるようなマッサージを行うと、筋肉をほぐす効果があります。
b) 就寝前のケア
就寝前にも軽いストレッチを行い、身体をリラックスさせましょう。また、タンパク質(アミノ酸)を摂取すると、睡眠中の筋肉修復を促進します。
c) 十分な睡眠
レース後は通常以上に睡眠時間を確保しましょう。睡眠中に筋肉の修復が進むため、質の良い睡眠を取ることが回復には欠かせません。
3. レース翌日以降のケア
a) 軽い運動
完全に安静にするよりも、軽い運動を行う方が回復は早くなります。ウォーキングや軽いジョギング、水中ウォーキングなどを行い、血行を促進しましょう。
b) ストレッチとマッサージ
継続的なストレッチとマッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。特に、大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎなど、ランニングで酷使する部位を重点的にケアしましょう。
c) 適切な栄養摂取
筋肉の修復に必要な栄養素を重点的に摂取します
- タンパク質:筋繊維の修復に不可欠
- ビタミンB群:糖質や脂質の代謝を助ける
- ビタミンC:疲労回復効果がある
- オメガ3脂肪酸:抗炎症作用がある
d) 十分な水分補給
レース後も継続的に水分を補給し、体内の水分バランスを整えます。これにより、老廃物の排出が促進され、回復が早まります。
e) 圧縮ウェアの使用
ふくらはぎや太ももに圧縮ウェアを着用することで、血行が促進され、筋肉痛の軽減に効果があるとされています。
4. 長期的な対策
a) 定期的なトレーニング
普段から適切なトレーニングを行い、筋力と持久力を高めておくことで、レース後の筋肉痛を軽減できます。走力の高い方はダメージが少なく毎月のようにフルマラソンへ出場しますが、完走目標の方は1本終了するとダメージが大きいです。
走り込みの量は、ここでも生きてきます。
b) 適切なフォームの習得
効率の良いランニングフォームを身につけることで、筋肉への負担を軽減できます。必要に応じてランニングクリニックに参加したり、コーチのアドバイスを受けたりすることをおすすめします。
c) 段階的な距離の増加
フルマラソンに向けたトレーニングでは、徐々に走行距離を増やしていくことが重要です。
d) クロストレーニング
ランニング以外のトレーニング(水泳、サイクリング、ヨガなど)を取り入れることで、全身のバランスを整え、特定の筋肉に過度の負担がかかるのを防ぎます。走るだけではなく、体幹など補強トレーニングも有効です。
5. 注意点
a) アルコール摂取について
レース後のビールは格別においしく感じるかもしれませんが、飲みすぎには注意が必要です。アルコールは使い果たしたグリコーゲンの回復を遅らせ、肝臓に負担をかけてしまいます。乾杯程度に抑えましょう。
b) 専門家への相談
通常、筋肉痛は数日で徐々に改善していきますが、1週間以上痛みが続く場合や、特定の部位に強い痛みがある場合は、整形外科医など専門家に相談することをおすすめします。
c) 個人差への配慮
筋肉痛の程度や回復のスピードには個人差があります。自分の体調をよく観察し、無理をせずに回復に努めることが大切です。
まとめ
フルマラソン後の筋肉痛は避けられないものですが、適切なケアを行うことで、その程度を軽減し、回復を早めることができます。レース直後からのケア、適切な栄養摂取、そして十分な休養が重要です。これらの方法を組み合わせて実践することで、効果的な回復が期待できます。
ランナーとしての経験を重ねるにつれ、自分に合った最適な回復方法を見つけていくことができるでしょう。次のレースに向けて、しっかりと体を労わりながら、ランニングライフを楽しんでいきましょう。
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