夏の走り込みで、秋に身体が動く理由

暑さを味方につけて、マラソンシーズンに備えよう

マラソンランナーにとって、夏の走り込みは秋のレースの命運を分けると言っても過言ではありません。
「暑くてキツいから、あまり走りたくない…」
そんな声も聞こえてきますが、夏にしっかりと走ることで、秋のマラソンシーズンに体がよく動くようになるのです。これは私も毎年感じており、良い時も悪い時も経験しています。

でもなぜなのか?

その理由を科学的な視点も交えながらまとめてみました。


1.暑さがもたらす「暑熱順化(しょねつじゅんか)」の効果

夏の暑さに慣れることで、身体は熱に対して適応していきます。これを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」と呼びます。
暑熱順化が進むと…

  • 汗をかきやすくなり、体温調整がスムーズになる
  • 心拍数が下がり、同じ運動強度でも疲れにくくなる
  • 体の中の水分やミネラルの保持能力が高まる

つまり、夏にキツい環境でトレーニングすることで、身体のパフォーマンスの土台が高まるのです。

🔎 論文引用:
Lorenzo, S. et al. (2010). Heat acclimation improves exercise performance. Journal of Applied Physiology, 109(4), 1140–1147.
https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00495.2010
→ 10日間の暑熱順化トレーニングで有酸素能力(VO2max)が7%向上したという報告あり。


2.心肺機能の強化

高温多湿の中では、身体はより多くのエネルギーを使って体温調節を行います。そのため、心臓や肺にかかる負荷も増加します。
この状況に慣れておくと、気温の下がる秋には負荷が軽く感じられ、スピードや距離が自然と伸びるのです。


3.精神的なタフネスを養える

暑さの中でのトレーニングは、当然キツいです。
しかし、そのキツさを乗り越える過程で、自信と粘り強さが身に付きます。マラソンでは後半の苦しさに打ち勝つ「心の強さ」も必要不可欠です。


4.秋のレースに「ピーキング」しやすい

夏にしっかり走っておくことで、9月・10月は「スピード強化」や「調整練習」に切り替えられます。
無理なく走力のピークをレース当日に合わせることができ、結果につながりやすくなります。


5.体作りのベースができる

夏は長時間・長距離をじっくり走る「有酸素のベース作り」に最適な季節。
この土台があるからこそ、秋以降のスピード練習が活きてきます。


まとめ:夏の努力が秋に花開く

夏の走り込みは、「キツいだけの練習」ではありません。
秋のマラソンで最高のパフォーマンスを発揮するための「仕込み」の時期です。
汗だくになって頑張った日々は、涼しい気候の中で自分を後押ししてくれます。

ぜひ、暑さと上手に付き合いながら、自分史上最高の秋の走りを目指していきましょう!

Keep Running®(キープランニング)の事業

パーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」では福岡市中央区(大濠公園近く)にて、個人対象、法人対象の事業を行っています。

■個人

会員制のパーソナル・ランニングスクール「Keep Running®(キープランニング)」(福岡市中央区大手門3-12-12-403、大濠公園近く)

マンツーマンの専属コーチとなり、フォーム解析、練習計画、モチベーションアップ、体作りを行い、目標達成へと導く。その結果、人生が充実してく。『リバウンドしないダイエットプラン』も好評。唯一無二のランニングイベント、練習会、座学、などを企画運営し、高品質な会員制のランニングスクールを運営する。

■法人

「健康経営優良法人」サポート事業・コンサル事業を、運動・栄養・休養を軸に、企業様の事業発展のためにサポートを行う。社内研修も「長く働き続ける体作り」をテーマに、運動・栄養・休養を軸に講演を行う。

「健康経営」を推進するための研修、オーダーメイドのサポート事業、新入社員研修など。

■子供のランニング教室

別事業で、子供のランニング教室「名島ジュニアランニングクラブ(名島JRC)を運営する。毎週水曜日の17:00-18:30にて、名島運動公園にて行う。運動・栄養・体幹を軸に、速く走るだけじゃなく、バランスの取れた身体を作り上げていく。

【Instagram】https://www.instagram.com/najima_jr._ruuning_club?igsh=MWsyMG5mcjVqMGYxOQ==

この記事を書いた人

楢木十士郎